プラズマ工学研究室

プラズマ異方性CVD研究


銅の異方性製膜
LSI製造技術はスケーリング則(1)(配線が短くなるほどデバイスの性能が上がるという法則)に従い高密度化,微細化が進み,現在65nmプロセスのデバイスが実用化(2)されており、2009年以降には45nm,32nmクラスの集積回路を製作することを目標としている(3)(4)。 LSIは複数の基板を積層した構造となっている。各層の基板は,トレンチ基板という溝つきのシリコン基板に銅を堆積することで製作する。 製膜技術としてはALD法,CVD法などが挙げられるが,それらの方法ではコンフォーマル形状に製膜することから次の3つの問題点が存在する。

(1):結晶粒径が線幅の半分以下になる
(2):キーホールやボイドが出来易い
(3):微小な隙間(seam)ができ不純物が溜まり易い
上記の問題を解決するために白谷研究室では,側壁には堆積せず,底面から優先的に堆積するプラズマ異方性CVDを提案している(5)(6)。 プラズマ異方性CVDの特徴として以下の特徴が挙げられる。

(1):底面から優先的に成膜が起こる
(2):狭いトレンチ程成膜速度が速い
(3):条件によっては埋め込み直後に成膜が自己停止する
(4):製膜速度が1nm/minと遅い

異方性形状の製膜を行うことによって銅膜中にseamの存在しない基板を製作することが可能である。 実際の実験によって得られた銅の異方性製膜を左図に示す。
白谷研究室では銅薄膜の製膜形状制御及び製膜機構の解明を目的とした研究を行っている。
炭素の異方性製膜

近年,カーボン系薄膜は高硬度・高耐摩耗性を有するという点から注目されている(7)。 特に,トレンチ基板上へのカーボン薄膜の製膜形状制御は応用上重要である。 上記の通り,白谷研究室では水素原子源付きプラズマCVD装置を用いて銅薄膜の膜のコンフォーマル,サブコンフォーマル,異方性の3通りの製膜形状を実現した(5)(6)。 そこで同装置を用いることで炭素薄膜の異方性形状の製膜の実現及び製膜機構の解明を目的とした研究を行っている。

参考文献
(1) 吉川公麿:応用物理 68(1999) 1215.
(2) intel ホームページ
(3) THE INTERNATIONAL TECHNOLOGY ROADMAP FOR SEMICONDUCTORS: 2007
(4) NEDO技術開発機構資料
(5) K. Takenaka, et al., J. Vac. Sci. Technol. A22, 1903 (2004).
(6) K. Takenaka, et al,, Pure Appl. Chem. 77, 391 (2005).
(7) J. Robertson, Mater. Sci. Eng. R, 37 129-281 (2002).